汕頭刺繍が贅沢な総刺繍の訪問着です。こちらは鹿や鳥などの模様で構成される鳥獣草花文様が珍しくも、素敵な一枚です。 使われている糸の色も大変上品で美しく、全体としては落ち着いた配色ですので、年齢を問わず長くお使いいただけることと思います。 中国三大刺繍の一つである汕頭刺繍(スワトウ刺繍)は、中国の広東省東部にある汕頭地方で受け継がれる刺繍です。 もともと刺繍は、ヨーロッパの上流階級の貴婦人が最上品とされている白い刺繍と白いレースのハンカチを、舞踏会やパーティで身につけることがステータスになり広まったそうです。 そうしたヨーロッパの技法に、中国の汕頭で受け継がれた女性たちの感性から生まれた装飾が融合し、生まれたのが汕頭刺繍だと言われております。 豪華でありながら上品で美しいデザインは、世界的にも有名で価値も高いことで知られていますが、 例えば、現在でも流通している汕頭刺繍のハンカチは、安価なもので一万円前後から、高価な物では十万円以上するというように、一般的なハンカチに比べて大変高価な品として知られています。 そんな刺繍が、ハンカチとは比べ物にならない程の面積に施されているお着物ですので、その価値がきっとご想像できるのではないかと思います。 一般的に総刺繍のお着物は大変高価なお品となりますが、それだけに多くの方々の憧れの一枚かと思います。見れば誰もがその芸術的な刺繍に目を奪われるはずです。 西洋的な美意識が織り込まれたエキゾチックな装飾で、いつもとは違うニュアンスの着こなしを演出することができる汕頭刺繍の訪問着を、この機会に宜しければご検討くださいませ。