●製作年代:1880-90年頃 ●1級 ●サイズ W:53cm×39㎝ H:4.5cm 非常に大型のサーヴィングプレート。 黄金期に相応しい、究極のタッチ。溶け込んだカマユピンクはマイセンの単色花絵の最高峰と言っていいと思います。多彩色の一般的なシリーズを極めた後は、”大人のマイセン”にレベルアップしていきましょう。このような描画は今ではもう再現することはできず、現代マイセンのカマイユは遠く足元にも及びません。 基本、単色で絵付けすることは、多彩色よりもはるかに技量を必要とし、一般には上位のペインターにしか描くことは許されません。一色だけで質感や影、濃淡を表現することはとても難しいからです。同時に、言うまでもなく価格は非常に高額なものになり、なかなか手が届かないシリーズでもあります。陰影に関しては文句のつけようがなく、この時代マイセンの右に出る者はいなかったでしょう。湾曲している箇所に見事描きこむ技術も素晴らしいです。 極めつけは周囲一帯の金彩です。丁寧に完全なる"手書き"で行われます。一寸の狂いなく完璧に一周させるギルディングの技術はマイセンならでは。そして花々に差し色として加えられる金彩。このような一般のシリーズには見られない上品な演出には脱帽です。これらの装飾に絵付が許されるのはマイスター級のペインターのみです。 金彩の擦れ、使用による傷などは殆ど見られない美しい逸品です。時代背景による白磁技術未発達の混合物等ございますが、マイセンのこの時代による象徴です。 テーブルセンターとして使用すれば華やかな雰囲気を演出します。昨今の状況ではありますが、身近な人だけの静かな会食で用いるだけでも楽しいですね。絵付はため息が出るほどの美しさで大変素晴らしく‥是非御検討頂きたい逸品です。